「熱風団地」大沢在昌著

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「熱風団地」大沢在昌著

 旅行ガイドの佐抜に外務省関連団体の阪東と名乗る男が接触してきた。阪東は、大学でベサール語を専攻した佐抜に、国内にいるベサール国の王子を捜し出して欲しいという。南シナ海に浮かぶ小国ベサールで13年前に政変が起き、国王の第2夫人だった日本人女性が息子を連れて帰国。現在、ベサール国内で療養中の国王が息子に会いたがっているというのだ。

 怪しい依頼を引き受けた佐抜は、ベサール人の母を持つ元女子プロレスラーのヒナと王子捜しを始める。調べを進めると、正体不明の中国人も王子の行方を捜していることが分かる。数日後、2人は多国籍の住人たちが暮らす「アジア団地」にたどりつく。

 各国の思惑が渦巻く王位継承問題に巻き込まれた佐抜とヒナの活躍を描くエンターテインメント。

(KADOKAWA 1430円)

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