「悩める平安貴族たち」山口博著

公開日: 更新日:

「悩める平安貴族たち」山口博著

 平安時代の歌集は、「古今和歌集」などの勅撰集のほかに、個人の歌集172人分が今に伝わる。本書は、個人歌集を含む平安文学を手掛かりに、歴史学ではとらえきれない王朝貴族たちの真実の姿に迫る古典読み物。

 平安時代、親王家や上流貴族に仕える女性は「女房」と呼ばれ、紫式部や清少納言もそのひとりだった。関白内大臣の娘に私的な女房として仕えた清少納言は、代表作の枕草子で関白家を核とする華麗な貴族社会とそこに身を置く自身の幸せを描いた。一方、紫式部にとって、嫉妬による悪口や陰口が渦巻く女房社会は、心底憂鬱でしかたなかったようで、その心情を作品から読み取る。

 ほかにも、色好みや男性貴族たちの権力争い、栄光と没落など平安貴族たちの人間ドラマを紹介。

(PHP研究所 1210円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状