「あの夏が飽和する。」カンザキイオリ著

公開日: 更新日:

「あの夏が飽和する。」カンザキイオリ著

 千尋は、13年前、中学のときに自殺した交際相手の流花が忘れられない。ある日、同僚から告白され、勢いで彼女を抱いた千尋の中で流花の思い出が強烈に蘇る。

 女性と肌を重ねれば流花を感じられることを知った千尋は、出会い系アプリで一夜限りの相手を探し、「いるか」というハンドルネームの大学生と会うことに。しかし、彼女は高校生で、本名が瑠花だと分かる。瑠花は、何もせずに自分を抱きしめて一晩中泣き続ける千尋に拍子抜けする。

 父子家庭で育った瑠花は、年上の男性に抱きしめられることで心の平穏を保ってきた。しかし、動画が拡散され窮地に陥る。そんな彼女の前に千尋が大きなバラの花束を持って再び現れた。

 13年前の琉花と千尋の逃避行を描いたスピンオフ作品も併録した青春サスペンス。

(河出書房新社 858円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元小結・臥牙丸さんは5年前に引退しすっかりスリムに…故国ジョージアにタイヤを輸出する事業を始めていた

  2. 2

    ドジャース大谷翔平に「不正賭博騒動」飛び火の懸念…イッペイ事件から1年、米球界に再び衝撃走る

  3. 3

    遠野なぎこさんは広末涼子より“取り扱い注意”な女優だった…事務所もお手上げだった

  4. 4

    ヘイトスピーチの見本市と化した参院選の異様…横行する排外主義にアムネスティが警鐘

  5. 5

    ASKAや高樹沙耶が参政党を大絶賛の一方で、坂本美雨やコムアイは懸念表明…ネットは大論争に

  1. 6

    巨人・田中将大「巨大不良債権化」という現実…阿部監督の“ちぐはぐ指令”に二軍首脳陣から大ヒンシュク

  2. 7

    世良公則、ラサール石井…知名度だけでは難しいタレント候補の現実

  3. 8

    自民旧安倍派「歩くヘイト」杉田水脈氏は参院選落選危機…なりふり構わぬ超ドブ板選挙を展開中

  4. 9

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 10

    フジの「ドン」日枝久氏が復権へ着々の仰天情報! お台場に今も部屋を持ち、車も秘書もいて…