「魂でもいいから、そばにいて 3.11後の霊体験を聞く」奥野修司著

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「魂でもいいから、そばにいて 3.11後の霊体験を聞く」奥野修司著

 本書は3年半以上、被災地に通い続けた著者に、遺族がぽつりぽつりと語った、不思議としか言いようのない16人の物語の記録である。

 近所の人から「あんたのおじいさんの霊が大街道の十字路で出たよ」と聞き、会いたさに毎晩、その十字路に立っていた石巻のおばあさん、3歳の息子の思い出話をすると息子のおもちゃが勝手に動き出すという女性、役所で死亡届を書いていたら、亡くなった兄から「ありがとう」と書かれたメールが届いたという60代の女性。また、妻と1歳10カ月の次女を津波で失った男性が鬱々と悩んでいると、慰めるかのように2人が夢に現れては話しかけ、ある年の正月には「今は何もしてあげられないよ。でも信頼している」と言われたなど、亡くなった人と“再会”したことで、生きる気力を取り戻した人々の姿がつづられている。
死者とのコミュニケーションである霊体験は、最高の癒やしになることが伝わってくる。

 (新潮社 649円)

【連載】古今災害小説7選

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