「思えばたくさん呑んできた」椎名誠著

公開日: 更新日:

「思えばたくさん呑んできた」椎名誠著

 椎名は20人あまりの男たちで「わしらは怪しい雑魚釣り隊」をつくった。テントが張れて焚(た)き火ができる海岸を探し、釣った魚で作った雑魚鍋、雑魚めしなどを肴に呑んでいる。

 関東近県で3、4カ所、秘密のキャンプ地がある。流木を燃やして雑魚鍋をつつきながら、酒を呑む。夕暮れまでは圧倒的にビールだが、日が暮れて風が冷たくなる頃は、それぞれ好きな酒になる。焚き火を見ていると、がさつな思いが浄化される。酔っぱらってもテントまで這って3分なのだ。

 高知に行ったときは、「ドロメ祭り」で仲間が5合の大杯を5.1秒で一気飲みして優勝した。

 あちこちで気ままに呑みまくる酩酊エッセー。 (草思社 1760円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    冷静になれば危うさばかり…高市バブルの化けの皮がもう剥がれてきた

  2. 2

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 3

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  4. 4

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  5. 5

    維新・藤田共同代表に自民党から「辞任圧力」…還流疑惑対応に加え“名刺さらし”で複雑化

  1. 6

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 7

    小野田紀美経済安保相の地元を週刊新潮が嗅ぎ回ったのは至極当然のこと

  3. 8

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 9

    「しんぶん赤旗」と橋下徹氏がタッグを組んだ“維新叩き”に自民党が喜ぶ構図

  5. 10

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み