「底が抜けた国」山崎雅弘著

公開日: 更新日:

「底が抜けた国」山崎雅弘著

 かつてはあり得なかった低レベルの不正や腐敗が日本社会のあらゆる領域で頻発している。たとえば、安倍政権下で行われた憲法9条に基づく専守防衛の国是の実質的放棄など、民主主義をないがしろにした数々の政策決定をはじめ、政治家による巨額裏金脱税や旧統一教会との癒着など、枚挙にいとまがない。

 政界だけにとどまらず、財界や官僚、さらに権力の監視役であるはずの大手メディアまでが利権で絡み合い巨大な「支配層」を形成し、倫理崩壊を助長させている。以前であれば良識や常識のレベルで機能していた「社会の自浄作用」がまったく働かない「底が抜けた」状態が今の日本だと著者は指摘する。

 こうした社会に蔓延する病理を一つ一つ読み解き、「社会の自浄能力」をどうすれば取り戻すことができるのかを考察した世直しテキスト。 (朝日新聞出版 957円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  2. 2

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  3. 3

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 4

    「べらぼう」大河歴代ワースト2位ほぼ確定も…蔦重演じ切った横浜流星には“その後”というジンクスあり

  5. 5

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  1. 6

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  2. 7

    高市首相の台湾有事発言は意図的だった? 元経産官僚が1年以上前に指摘「恐ろしい予言」がSNSで話題

  3. 8

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  4. 9

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  5. 10

    高市政権の「極右化」止まらず…維新が参政党に急接近、さらなる右旋回の“ブースト役”に