「裏金国家」金子勝著

公開日: 更新日:

「裏金国家」金子勝著

 自民党の旧安倍派を中心とした95人という戦後最悪の裏金キックバック疑獄。それを生み出したのは安倍元首相による「2015年体制」だと著者はいう。

 15年とは、安倍政権が、歴代内閣の見解を「閣議決定」という内閣の行政処分によってひっくり返し、集団的自衛権を認める安保関連法を成立させた年だ。以降、安倍政権は、官僚制を潰し、メディアの批判能力を奪い、できるだけ国会を開かずにすべてを与党協議と閣議決定で推し進めた。

 15年体制は、劣化した世襲政治家でも国会議員として生き残れる仕組みをつくり上げる必要から生まれ、その仕組みづくりに一役買ったのが裏金だったと指摘する。

 民主主義を破壊する裏金問題の背景を解説し、その根深さを告発する警世の書。 (朝日新聞出版 957円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁