「人はなぜ結婚するのか」筒井淳也著
「人はなぜ結婚するのか」筒井淳也著
かつて結婚は、「仕事」(家族で行う生産や経営の活動、家族間の関係の構築、権力者の統制)の領域に埋め込まれていた。結婚はそれらの目的のために重要な手段だったが、今では私的な幸福という人生の目的のための一手段に変化した。
結婚とは、他者と包括的な共同性を構築することだが、いったんそれをつくってしまうと離別することが大変になる。なぜこんな面倒な共同性を構築するのか、なぜ政府はその関係を法的に規制し、また権利を与えるのか。
結婚制度の変遷をたどり、同性婚や同棲・事実婚、シビルユニオン(登録パートナーシップ制度など)、離婚法制、選択的夫婦別姓など、現代の結婚制度が抱える課題についても考察したテキスト。 (中央公論新社 990円)