「未婚と少子化」筒井淳也著

公開日: 更新日:

「未婚と少子化」筒井淳也著

 昨年の出生数は76万を切り過去最少を更新。少子化は日本にとって取り組むべき最大の問題のひとつで、岸田政権も「異次元の少子化対策」として子育て支援の拡充に資金を注入している。

 政治もマスコミも少子化対策といえば子育て支援の予算や財源の話に傾きがちである。しかし、1970年代からの出生率低下の大きな要因は、結婚している人が子どもを持たなくなったことではなく、晩婚化・未婚化によってもたらされてきたと著者は指摘する。そもそも、出生率や出生数について考えるときに「結婚している夫婦」を出発点として想定しているのが間違いだというのだ。

 データや統計を用いて婚姻や出産の実態を明らかにしながら、より広い視野から少子化について考察した問題提起の書。

(PHP研究所 1122円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する