「出版という仕事」三島邦弘著
「出版という仕事」三島邦弘著
業界にさまざまな革命を起こしている出版社の社長によるお仕事入門書。
著者が就職した1999年当時、出版は既に斜陽産業で、未来はないといわれていた。しかし、著者は「出版はおもしろい」と太鼓判を押す。
確かに出版業が担ってきたパブリケーション機能は弱まり、代わってSNSをはじめとするネット媒体がその役割を広げつつある。しかし、出版はその歴史的役割を完全に失ったわけではなく、それどころか新たな役割が芽生えつつあるという。
そんな出版という仕事の「おもしろさ」を、自らの体験や、悩みながら働く同業者の手記などを紹介しながら熱く語る。
本づくりや営業など実際の仕事内容、さらに出版の未来についても見据え、出版という枠を超えて仕事について多くの示唆を与えてくれる。 (筑摩書房 990円)