「江戸の給与明細」安藤優一郎監修

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 上は将軍から下は名もない町人や農民まで、江戸時代の人々の懐事情を紹介する歴史読み物。

 金1両(=1石)を現在の12万円と換算して割り出すと、江戸幕府成立時の徳川家の収入は、米だけで235万石で2820億円となり、ほかにも大量に採掘される金、銀、銅の貴金属も収入源となり、その財政は3代目家光の時代まで潤沢だったという。

 しかし、明暦の大火からの復興費用など予定外の支出が増え、4代目家綱、5代目綱吉の時代になると財政は悪化の一途をたどる。こうした徳川家代々にはじまり、大岡越前や宮本武蔵、赤ひげのモデルとなった町医者の小川笙船ら有名人の収入と支出、鬼平こと長谷川平蔵ら当時の人々の財テク術までを紹介。

 さまざまな視点から江戸のお金事情を解説する。

(エムディエヌコーポレーション 980円)

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