ニッポン経済曲がり角(2)経済安全保障にまつわるリスクの軽視は得策ではない
「日本経済の分岐点」岩田規久男著
街なかのランチタイムの値上げ幅の大きさに驚く日本経済の現状。このままでいいのか。
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「日本経済の分岐点」岩田規久男著
政界の予想を裏切って自民党総裁選に躍り出た上、日本初の女性宰相の座を射止めたのが高市早苗現首相。その特徴は若者世代の支持が高いことにあるという。自民党内でも首相の独断専行を危ぶむ声が高いが、本人は若者の支持をよりどころに強気一点張りと伝えられる。
本書はその高市財政を積極的に評価する。自称「サナエノミクス」は「責任ある積極財政」が売り物。これまでのように規制緩和で成長を図るネオリベ路線ではなく、官民が連携して「危機管理投資と成長投資」を促進して成長を図る。著者の見立てではその根底には21世紀型の「新しい産業政策論」があるという。著者は元日銀副総裁という要職にあったエコノミストだけに、その発言には重みがある。ふつう産業政策は失敗するのが専門家の常識。著者もそう信じてきた。しかし首相のこれまでの著作や関連の論文などを読み込むうち、自由貿易主義のもとで経済安全保障にまつわるリスクを軽視するのは得策でないと判断するに至ったという。これまでの通説よりも広い範囲で政府の介入が必要というわけだ。そこでリスクを最小化してサナエノミクスを成功に導く「助言付き応援歌」を自負している。
(光文社 1265円)


















