「略奪美術品の行方」福田直子著│戦争や侵略で略奪された美術品は誰のものなのか
「略奪美術品の行方」福田直子著
1987年、安田火災海上保険(当時)が、ゴッホの名画「ひまわり」を絵画史上最高額で落札。以来、「ひまわり」は同社の顔となり、親しまれてきた。しかし、2022年暮れ、元所有者の遺族が「ひまわり」の返還を求めて同社を提訴する。理由は、祖先が所有していた「ひまわり」は、ナチスによって1934年に強制的に売却されたというものだった。
ナチスによって没収、転売、行方不明になった美術品が世界中に散らばり、長い時間を経て所有者が代わったのちに、「略奪美術品」として問題化し、その返還などを巡る裁判が増えている。さらに問題は、植民地支配の過去を持つ西欧諸国へと広がっている。
本書は、戦争や侵略によって略奪されたこうした美術品の実態と終わりなき返還論争を調査・取材したリポート。
(集英社 1111円)


















