再生医療の進化が「人生120年時代」を実現させるカギになる
人生120年時代──。いま、老化を研究する専門家の間では、人間の生物学的寿命は120歳に近づくと認識されています。現時点では、疑わしい記録も含めた大還暦を迎える120歳超えは世界で3人しか記録されていませんが、医療の進歩や健康意識の向上によって、“人生100年”を超える時代が到来しようとしているのです。
人生120年時代を実現させる医療技術の大きな柱とされているのが、「再生医療」です。老朽化や病気などで機能が低下してしまった臓器を、再生医療によって人間が生きていくために必要な部分をつくり直し、不十分にならないだけの機能を取り戻そうという方法です。
心臓の領域では、すでにいくつもの再生医療の試験的な臨床応用が進んでいます。これまで何度もお話ししたように、心筋梗塞などで心筋細胞が壊死してしまうと、元に戻ることはありません。そのまま放置していると、心臓のポンプ機能が弱まって全身へ送り出される血液の量=心拍出量が低下し、心臓全体に負担がかかるようになって徐々に命を縮めてしまいます。
そこで近年、壊死してしまった心筋を再生する医療の研究や開発が進められてきました。たとえば、骨格筋芽細胞やiPS細胞からつくった心筋シートを使って心筋を再生させる方法をはじめ、心筋球と呼ばれる心筋細胞の塊をつくって壊死した心筋に注入する方法など、さまざまなアプローチが試みられています。


















