柳原滋雄(フリージャーナリスト)なぜ中道改革連合が失敗したかに関心
8月×日 記者がツイッター(現在のX)を始めたのは10年以上前だった。フォロワー数は遅々として伸びないものの(3000程度)、私にとっては公共空間と接続されている感覚が重要なのだ。その中で、相互フォローでつながっている政治研究者の木下ちがやさんの「失われたヘゲモニー」(花伝社 2200円)を一読。
小生にはちょっと難解な学術的要素を含む本だが、巻末の中北浩爾・中大教授との対談を特に興味深く読む。「戦争体験者がいなくなった」ことを現代民主主義の漂流と重ね合わせる分析はまさに認識を共有する思い。
8月×日 今年になって本紙で2度、中道改革連合について短期集中連載(3月/7月)したこともあり、なぜ中道が失敗したかを分析した島田裕巳著「大衆の崩壊」(大洋図書 1320円)を手にとる。
著者は、いわずと知れたオウム真理教や創価学会を対象にしてきた宗教学者。中道と創価学会に焦点が当たる。参考になる記述も多いが率直な感想として、同教団の高齢化と会員減少が進んでいることは事実だろうが、「創価学会消滅の方向」はやはり言い過ぎと思える。仮に国内はそうでも、世界全体では会員数は増え続けているからだ。さらに同教団の信仰を低学歴者の“錯覚”に過ぎないかのような書き方も、当事者には失礼な決めつけに映る。
8月×日 所属新聞社で苛烈な嫌がらせを受け続ける原発専門記者の講演を聞くため初めて都内会場に足を運ぶ。購入しつつ読めていなかった青木美希著「それでも日本に原発は必要なのか?」(文藝春秋 1100円)を即日読了した。
福島第1原発事故から15年。すでに何事もなかったかのように再稼働や新設計画が進む中、多くの健康被害を含め、真相は依然闇のままだ。
仮に中道関係者がこの本を読んでいたら、同党の政策もかなり変わっていたはずなどと妄想しながら、同時代を生きる記者の使命に思いを馳せる。



















