水泳で五輪出場 井川遥の“夫”好演した藤本隆宏の特異な経歴

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「あれっ」と感じた視聴者も多いに違いない。
 29日に最終回を迎えたNHKドラマ10「ガラスの家」。主役・井川遥の夫で財務省の高級官僚を演じた藤本隆宏(43)の迫力は見ものだったが、この俳優、最近になってテレビで見かけるようになった。

 185センチの堂々たる体躯に精悍(せいかん)な顔つき。実はNHK出演は3度目。09年「坂の上の雲」で海軍中佐・広瀬武夫役に大抜擢されてから注目を浴び、大河ドラマ「平清盛」(12年)でも清盛に仕える伊藤忠清を演じた。役者としては遅咲き。27歳で劇団四季「ヴェニスの商人」(1997年)でデビュー。それもそのはず、俳優に転身する前は水泳のオリンピック選手だった。

 70年、福岡県北九州市出身。3歳上の兄の影響で小学2年から水泳を開始。中学で頭角を現し、西日本短大付属高校3年生のとき、200メートルと400メートルの個人メドレーでソウル五輪に出場した。

「なにかひとつ決めたことがあると、まっすぐに進む性格」は、89年スポーツ推薦で早稲田大学人間科学部に進学してからも、文武両道を貫き通す根幹となる。東京・西東京市にある水泳部の寮に入り、午前4時過ぎに起床。電車で40分の早大戸山キャンパスで午前8時まで練習。寮に戻って先輩の朝食を作ってから電車とバスで約1時間の所沢キャンパスへ。夕方まで授業に出て、再び戸山へ戻り、深夜まで練習。学業も決しておろそかにしなかった。大会遠征や合宿以外、可能な限り授業に出席。運動生理学や英語の原書講読が好きで、必修の多い教職課程も4年間で全単位を取得する。

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