視聴者の不信を助長させた2013年の「テレビ界」を振り返る
■みのもんた騒動で拍車
次に、テレビ朝日のプロデューサーによる1億4000万円の横領事件。制作会社に架空の代金を請求するという、あまりに古典的かつ不用意な手口と金額の大きさに呆れるばかりだ。新2強時代といわれ、視聴率で日本テレビとトップ争いをするまでになったテレビ朝日のイメージダウンだけでなく、テレビ業界全体の体質とモラルが疑われる事件だった。
また、今年はみのもんたの番組降板騒動もあった。本人は降板の理由を、次男が窃盗未遂容疑で逮捕されたことによる「親の責任」に限定していたが、それだけではないことを視聴者は知っている。社長を務める水道メーター会社が関わった談合問題、取材対象でもある政治家たちとの近い距離、度重なるセクハラ疑惑など不信感の蓄積があったのだ。
同時に、視聴率を稼ぐタレントであること、局の上層部と関係が深いことなどから、毅然たる判断を保留し続けたTBSに対しても視聴者は冷ややかな目を向けた。
前述のヤラセ問題や横領事件などと併せて、「しょせんテレビはこんなもの」と思わせてしまったことは、身から出たサビとはいえ残念でならない。