バレエ挫折…水谷豊の娘・趣里が出合った「第2のお父さん」

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 それでも続けるしかないと思い、塩屋俊さんの「アクターズクリニック」に通っていると、「不道徳教室」に声をかけていただいたんです。当て書き(あらかじめ役者を決めてから書いた脚本)で岩松さんが書いてくださった役と聞いて、もう死ぬほど、うれしかった。

 岩松さんは普段、役者とそう会話される方ではないんです。ただお稽古では「1000本ノック」といって、同じシーンを何度も何度も繰り返し、とことん、やらせてくれる。つづく「ジュリエット通り」という作品で安田章大くんと2人のシーンを稽古している時でした。「好きなようにやっていいよ」って、岩松さんに言ってもらったんです。お芝居の先生では、塩屋さんがいたんですけど、塩屋さんと同じように、私個人として生きていいんだって、言っていただいたように思えました。

 舞台に立つと、映画ドラマもそうですけど、大勢の人たちの前で、もっている感情をさらけ出さなければなりません。もちろん役を通してですけれども、それが見てくださっている方に伝わっていることが分かることがあるんです。


 ああ、生きている。生きてていいんだって、思える瞬間。何か表現したいという思いはバレエをはじめた幼い頃から変わりませんけど、今思うと胸の底に「私」という個人として見てもらいたい、認められたいという願いがありました。

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