識者はこう見た NHK大河「真田丸」に複数の“仕掛け”

公開日: 更新日:

 前出の麻生氏は、織田信長(吉田)、徳川家康(内野)、上杉景勝(遠藤)、北条氏政(高嶋政伸)といった今後の物語を左右する巨頭を“チョイ出し”する演出も含め、「次回以降も見たくなる仕掛けが複数あった」と前置きした上で評価する点とダメな点を挙げる。

「まず評価すべきは屋外の撮影ロケが非常に多く見受けられたこと。外光ひとつとっても限界のあるスタジオとは異なり、特に騎馬装束の侍たちが平原の中を走り抜ける壮大なシーンは見ごたえがありました。リアリズムを追求し、かつ、本来のあるべき時代劇の制作姿勢を感じました。

 その一方で、引っかかったのが平岳大さん演じる武田勝頼が岩殿城へ逃げるシーン。敗走の場面にもかかわらず、まるで凱旋将軍の行列かのようにきらびやかな装束に身を包み、堂々とのぼりを立てたこれ見よがしの演出は間抜けに感じました。それもこれも、直前の今生の別れとなるであろう勝頼が、堺さん演じる主人公の真田信繁に向け、目配せするシーンを際立たせるため。ご都合主義で余計な演出に思えたからです」

 講談「真田十勇士」などで知名度バツグンの真田幸村の名ではなく、あえて実名の「信繁」を使ったり、織田信長を「西」、徳川を「南」と表現したり。脚本の細部への並々ならぬこだわりを感じさせた初回。真田丸ならぬ三谷丸の出帆は天気晴朗なれども波高し、か。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 2
    悠仁さまは昆虫学を究めたいと望むも…「自然誌を学ぶ大学」が玉川大学ではなく東大が濃厚なワケ

    悠仁さまは昆虫学を究めたいと望むも…「自然誌を学ぶ大学」が玉川大学ではなく東大が濃厚なワケ

  3. 3
    『ザ・ノンフィクション』話題の婚活回で“パロディー”にもなった50代男性の現在

    『ザ・ノンフィクション』話題の婚活回で“パロディー”にもなった50代男性の現在

  4. 4
    7カ月遅れで完成…岡田准一&宮崎あおい“5億円豪邸”の評判

    7カ月遅れで完成…岡田准一&宮崎あおい“5億円豪邸”の評判

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  2. 7
    「らんまん」語りで8年ぶり地上波連ドラ出演も…宮崎あおい“不倫・略奪”に今も女性の拒否反応

    「らんまん」語りで8年ぶり地上波連ドラ出演も…宮崎あおい“不倫・略奪”に今も女性の拒否反応

  3. 8
    小室圭さん“年収倍増”報道で《お前らが努力しなかった10年で年収3800万円になった》投稿が話題

    小室圭さん“年収倍増”報道で《お前らが努力しなかった10年で年収3800万円になった》投稿が話題

  4. 9
    STARTO本格始動で際立つ日テレのシタタカさ…TV各局×旧ジャニーズ“蜜月濃度”には微妙な変化

    STARTO本格始動で際立つ日テレのシタタカさ…TV各局×旧ジャニーズ“蜜月濃度”には微妙な変化

  5. 10
    小池都知事は次の選挙で「カイロ大卒」と記すのか 学歴詐称疑惑再燃で「選挙公報」に注目集まる理由

    小池都知事は次の選挙で「カイロ大卒」と記すのか 学歴詐称疑惑再燃で「選挙公報」に注目集まる理由