宮藤官九郎 ラジオを語る「TVと違って“むき出し”でいい」

公開日: 更新日:

「自分で芸能人っていう感覚ない」

 僕は特殊な立ち位置で、役者だけをやっているわけじゃないし、タレントでもないし……。自分で自分が分からなくなるくらい作品を作ってきたので、ラジオくらいは自分を偽らず素の状態でやりたいと。「芸能人」っていう感覚もあんまりないので、芸能人を見るとまだドキッとするし、全然気付かれずに警察に職質されるくらいがちょうどいいなあと思ってます。そんなネタ、普通ないからラジオで話せるし。

 昨日もたまたま吉祥寺で人が職質されるのを見ていて、その人すごく反抗して大騒ぎしていたんです。それが面白くて交番までついてっちゃいました。最初は「触んじゃねえよ!」と言ってたのに、5~6人(の警察官)に囲まれて最終的に身動き取れなくなってました(笑い)。もし自分に「出ている人」という意識があったら、おそらくそこで追いかけていかないんだろうけど、もともと自分が見られているという意識が薄いし、あえて持たないようにもしてるんです。そうしていないと面白いことに遭遇できない。だから電車にも乗ります。作品に普通の感覚を取り入れられないと、ウソっぽくなっちゃうと思うんで。

インスタグラム」とかに載せる写真なんてあんなの全部ウソじゃないですか(笑い)。あれプライベートって言われても。ツイッターも、ちょっとハミ出すと「炎上」とか言われちゃう。ラジオだったら「誰も聞いてない」と思ってやれるのがいいところですね。

 ただ、ラジオで話したことを文字にしちゃうと、やっぱりエグいんですよ。ツイッターもそうですけど、耳で聞き流せる発言も、文字にすると「何言ってんの、コイツ」ってなる。「ドラマの視聴率が悪くてすごく落ち込んでる」という記事をネットに書かれたときがあって、ラジオの放送上ではずっとゲラゲラ笑いながらしゃべっていたんですけど、活字にすると本当に僕が落ち込んでるみたいになってるのに驚きました。否定するのも大人げないし、自分もネットのニュースは見るので、それをアテにしてるってことは間違ったことも入ってきてるんだと思わないといけないと思います。

 今、気になる人……今年は面白い人がいっぱいいすぎて渋滞してますよね。まさか乙武さんまでいくと思わなかった。あ、学歴詐称はちょっと怖いので、いろんなところで「(日本大学芸術学部)中退です! 中退です!」って言って回ってます。「(週刊)文春」で連載していれば(スキャンダルは)大丈夫だってみんな言ってますけど、ホントかなあ(笑い)。昔はもっとデタラメだったのになあとも思ってしまいますね。

 これは高田(文夫)先生に初めて会った時に言われたんですけど、「作家は書かなくなったら上がりだ」と。「書かなくても作家だって言えるようになったらホンモノだ」って言われて、高田先生はそうなってますけど、僕はまだ書いてますからね。まだ最強じゃないなと。「書いているように見えるけど、実はずいぶん書いてない」っていう作家になりたいですね。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  2. 2

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  3. 3

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  4. 4

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

  5. 5

    Snow Man目黒蓮と佐久間大介が学んだ城西国際大メディア学部 タレントもセカンドキャリアを考える時代に

  1. 6

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  2. 7

    田村亮さんが高知で釣り上げた80センチ台の幻の魚「アカメ」赤く光る目に睨まれ体が震えた

  3. 8

    草間リチャード敬太“全裸騒動”にくすぶる「ハメられた」説…「狙った位置から撮影」「通報が早い」と疑問視する意見広がる

  4. 9

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

  5. 10

    若林志穂さん「Nさん、早く捕まってください」と悲痛な叫び…直前に配信された対談動画に反応

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトバンクに激震!メジャー再挑戦狙うFA有原航平を「巨人が獲得に乗り出す」の怪情報

  2. 2

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    草間リチャード敬太“全裸騒動”にくすぶる「ハメられた」説…「狙った位置から撮影」「通報が早い」と疑問視する意見広がる

  5. 5

    維新の「議員定数1割削減」に潜む欺瞞…連立入りの絶対条件は“焼け太り”狙った露骨な党利党略

  1. 6

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

  2. 7

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  3. 8

    「これが寝るってことだ」と感激…女優の岡崎友紀さん変形性股関節症との苦闘

  4. 9

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  5. 10

    公然わいせつ容疑で逮捕→釈放も“連帯責任”…Aぇ! group草間リチャード敬太の芸能界復帰はイバラの道