愛弟子・小西博之が語る 松方弘樹さんの「豪快伝説」<下>
先日亡くなった俳優・松方弘樹さん(享年74)を「時代劇と夜の師匠」と仰ぐのは、コニタンこと小西博之さん(57)。ドラマ「名奉行 遠山の金さん」(89~93年)の撮影時には、京都・祇園のイロハを教わったという。なみなみとつがれたヘネシーのグラスを傾けながら、夜ごと、松方さんから聞いた秘話とは――。
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松方さんは湿っぽいのはお嫌いで、お酒の席はいつも賑やかでした。カラオケも好まれて、よく石原裕次郎さんの歌を歌われていました。そうそう、裕次郎さんの形見分けとして釣り竿を譲り受けたそうで、「使ってるかって? バカヤロウ!大事に飾ってあるよ」とうれしそうに話されていましたね。
お父さまの近衛十四郎さんとの思い出もよく聞かせてもらいました。松方さんが子供の頃、近衛さんはしょっちゅう祇園のお茶屋さんに泊まってらしたそうで、松方さんは、弟の目黒祐樹さんの手を引いてそのお茶屋さんに行き、「お父さん、きょうは帰って来てもらえませんか」と呼び戻しに行ったそうです。
松方さんが中学生ぐらいのときには、運命的な出会いもあったそうです。お父さまと一緒に京都市内のホテルのプールに遊びに行ったときの話で、お父さまがわざわざ出向いていって、見知らぬ男性に挨拶をされたそうなんですね。