没後20年で脚光 “異能の映画人”伊丹十三が持つ7つの顔
没後20周年の映画監督・伊丹十三が、再び脚光を浴びている。代表作「タンポポ」が昨年、30年ぶりに全米公開されたのに続いて、今年は「マルサの女」「あげまん」など監督作全10本が日本映画専門チャンネルで特集放送中だ。映画監督としてはもちろん、さまざまな分野で才能を発揮した異能。マルチな才人・伊丹十三の意外な“顔”を振り返ってみよう。
●商業デザイナー
本名・池内義弘は、1933年5月15日、映画監督・伊丹万作の長男として生まれる。幼い頃から絵の才能を発揮し、21歳で銀座の商業デザイン事務所に勤務。映画雑誌「アートシアター」のタイトル文字・表紙デザインなどを手がける。この時、作家の山口瞳と知り合ったことが、名エッセイスト誕生のきっかけとなる。
●俳優
26歳で「伊丹一三」として俳優デビュー。その後、ニコラス・レイ監督「北京の55日」や、リチャード・ブルックス監督「ロード・ジム」など海外の大作に出演。帰国後も独特の存在感を放つ。特に50歳で出演した「家族ゲーム」での“目玉焼きチュウチュウ”は今も語り草になっている。