二田一比古
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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

「A LIFE」のキムタクに欠けているのは松方弘樹流役作り

公開日: 更新日:

 昨年、木村拓哉主演の新春ドラマが「医師役」と報じられた時点で、「ドクターXのキムタク版」と、おおよその中身は想定できていた。案の定、「A LIFE~愛しき人~」(TBS系)はパイロットやジーパン姿から白衣に替えたキムタクだった。

 視聴者も「やはりキムタクがカッコいいだけのドラマ」との声が大半を占める。内容も大門未知子と変わらないスーパードクターのお話。違いがあるとすれば、木村を巡る病院内の恋愛劇を昼メロのごとく織り交ぜていることぐらい。

 新作ドラマは「どんな内容なの?」という期待感が必要とされる。昨秋、大ヒットした「逃げ恥」(TBS系)はタイトルからして中身に興味を持たせたこともヒットの一因だった。役者もしかり。今度の役ではどんな顔を見せてくれるかと期待感を持たせることも大切。残念ながら木村の医師役では期待感はなく、内容も透けていた。

 亡くなった松方弘樹さんが挑んだのは「仁義なき戦い」だった。二枚目やコミカルな役が多かった松方さんが一転、ヤクザ役。期待感にあふれていた。眉を剃り、目を充血させた役づくり。「本当にこんな人がいそう」とホンモノをしのぐ迫力は期待を裏切ることはなかった。いまだに「仁義――」の第1作にリピーターが多いのも、主演の菅原文太と遜色ない松方さんがいたからだと思う。

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