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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

NHKドラマ「ブランケット・キャッツ」の天才猫軍団に脱帽

公開日: 更新日:

 世の中には犬派と猫派がいるそうだが、最近のNHKはかなり猫派寄りだ。BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」が放送され、Eテレ「2355」では毎週火曜が「猫入りチューズデー」という猫特集である。

 そして新たな“猫物件”がドラマ10「ブランケット・キャッツ」だ。主人公は亡くなった妻(酒井美紀)が残した7匹の猫と暮らす家具職人・椎名秀亮(西島秀俊)。飼い主を探しているが、適性を判断する面談と3日間のお試し期間を設けている。

 第1回では認知症で施設に入る祖母(佐々木すみ江)のために、以前の飼い猫と似た猫を探すヒロミ蓮佛美沙子)がやってきた。しかも秀亮は、やはり祖母を喜ばせたいヒロミの依頼で、彼女の婚約者の「代役」まで引き受ける。結局、祖母は孫娘の“優しい嘘”に気づいており、ヒロミは本当のことを告げるのだ。

 まず西島と猫たちが本物の家族のように見えることに驚く。この見事な「なつき方」は天才子役ならぬ天才猫軍団だ。また、お試し家庭が抱える悩みや心配事も特殊なものではなく、視聴者が自分たちに引き寄せて共感できる。これは重松清の原作の味を生かした、江頭美智留の脚本の力だ。

 個人的には「和風総本家」(テレ東系)の豆助を応援する犬派だが、このドラマを見ていると、ふと「猫も悪くないか」と思えてくる。

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