「セルピコ」 腐敗警官どもに1人で立ち向かい孤立していく

公開日: 更新日:

1973年 シドニー・ルメット監督

「十二人の怒れる男」「未知への飛行」などの社会派監督、S・ルメットがメガホンを取った問題作。今月29日にKADOKAWAからBDが発売される。

 ニューヨーク市警の刑事セルピコ(アル・パチーノ)が捜査中に顔を銃撃され、病院に担ぎ込まれた。実はセルピコは市警の腐敗ぶりを告発し、同僚刑事たちに恨まれていた。

 彼は警察学校を卒業して警官になるが、警察では暴力的な取り調べやヤクザからの賄賂の徴収が横行。それも殴る蹴るしてカネをもぎ取る。セルピコはそうした悪に染まらず、賄賂の分け前を頑として受け取らない。そのため周囲の悪徳警官から目障りな存在となり、孤立していく。

 彼は警視に現状を告発するが、警視は「忘れろ」と言い放つ。次にNY市への告発に動くも、市長は暴動が起きたときに備えて警察と揉め事を起こしたくないという理由で受け付けない。

 そうした中、セルピコはある分署に配転。危険な捜査の最前線に立ち、同僚たちに見放され、銃弾を浴びるのだった……。

 邦画にも警察の悪事を描いた作品はある。近年では「ポチの告白」(05年)、「日本で一番悪い奴ら」(16年)などで、警官が悪に手を染めるストーリーだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カーリング女子フォルティウス快進撃の裏にロコ・ソラーレからの恩恵 ミラノ五輪世界最終予選5連勝

  2. 2

    南原清隆「ヒルナンデス」終了報道で心配される“失業危機”…内村光良との不仲説の真相は?

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  5. 5

    高市政権「調整役」不在でお手上げ状態…国会会期末迫るも法案審議グダグダの異例展開

  1. 6

    円満か?反旗か? 巨人オコエ電撃退団の舞台裏

  2. 7

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  3. 8

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 9

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  5. 10

    近藤真彦「合宿所」の思い出&武勇伝披露がブーメラン! 性加害の巣窟だったのに…「いつか話す」もスルー