徹夜の撮影続き…学校の授業はおろか満足に眠る余裕もなく

公開日: 更新日:

 アイドルタレントは、歌手デビューの年が同じだと同期と呼ばれ、「85年組」には斉藤由貴さん、中山美穂さん、南野陽子さんらがいた。同期といっても、学校や会社とは意味合いがちょっと違う。「ザ・ベストテン」に「歌のトップテン」などの歌番組で一緒になってもご挨拶する程度。テレビ局の廊下ですれ違っても、何人もの大人たちが隣に後ろについていて、電話番号を交換したり、親しくなるような機会はどこにもない。新人賞などの賞レースを争う宿命があった。

 この頃の芸能界で歌謡大賞やレコード大賞といった大きな賞を取るには、その歌手の実力のみならず、事務所の力も大きく影響していたらしい。

 私は所属していた事務所が小さなプロダクションだったこともあり、それらは自分にはおおよそ関係のないものと思っていた。それでいて賞レースには参加しなければならない。

――どうして私はここに立っているんだろう。

 歌番組の収録などで、なんとなく、そう思うこともあった。子供の頃から憧れていた聖子さんのように「アイドル」にはなれた。想像と違って、戸惑うことも少なくなかったけれど、アイドルに憧れた一番の理由、お姫さまのようなドレスを着たいという願いも、ほどなくしてかなった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー