著者のコラム一覧
髙橋隆

1949年1月生まれ。学生時代に「走れコウタロー」で知られる「ソルティー・シュガー」の一員としてデビュー。大学卒業後はディレクターに転身し、ビクターエンタテインメントやテイチクエンタテインメントで数々のヒット曲を生み出す。代表作は「ダンシング・ヒーロー」「襟裳岬」「てんとう虫のサンバ」「白いギター」など。現在はフリーの音楽プロデューサー。

石野真子「春ラ!ラ!ラ!」は元旦に発売された季節ソング

公開日: 更新日:

「春ラ!ラ!ラ!」(1980年)

 いまは随分減りましたが、昔は季節ソングがたくさんありました(我々は季節商品と呼んでいましたが)。夏は盆踊り。スタンダードになると毎夏かけてもらえますからね。私は金沢明子の「イエロー・サブマリン音頭」を手がけました。あとクリスマスソング。これは伊藤さやかで「素敵にジングルベル」って曲を作りました。曲は長渕剛に書き下ろしてもらって。あと、忘年会シーズンはデュエット曲がありましたよね。

 石野真子の「春ラ!ラ!ラ!」はタイトル通り、春に狙った季節ソング。しかも発売は1月1日。いわゆる初荷です。当時、元日はレコード店のかき入れ時。子供たちがお年玉を持って買いに来ました。だから本当にイチ押しの歌手しか元日には売らなかったんです。

 石野真子の8枚目のシングルで、この曲から私が担当になりました。まず狙ったのは出だしのインパクト。「春という字は三人の日と書きます」という語りで始まる歌詞は、当時CMソングのヒットメーカーだった伊藤アキラさんにお願いしました。

 そして、哀愁のあるメロディー。この時、石野真子はデビューから2~3年目。そろそろ大人っぽい曲を歌わせてもいいころです。歌詞も“さわやかな三角関係(?)”がモチーフ。そこで作曲を森田公一さんにお願いしました。「青春時代」もそうですが、森田さんの曲は哀愁があるんですよ。前半こそアイドルらしい明るい感じですが、後半からマイナーコードに変わって、切ない雰囲気になっていきます。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  3. 3

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    巨人大ピンチ! 有原航平争奪戦は苦戦必至で投手補強「全敗」危機

  1. 6

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 7

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  5. 10

    日本ハムはシブチン球団から完全脱却!エスコン移転でカネも勝利もフトコロに…契約更改は大盤振る舞い連発