“電波少年”は企画次第で視聴率が取れる革命的な番組だった

公開日: 更新日:

 捨てるVTRがない。とにかくやって、転がりだした企画は、更に転がす。そうして伝家の宝刀とも言える“アポなし”という大鉱脈を掘り当てた。

「最初ナレーションは、ほんの数行だけでした。でもいつからか『あれ? ナレーションで、ツッコミを入れるのも面白いんじゃね?』となり、原稿の枚数も増えていきました。フリやオチにまで絡み、ひどい時はそのままナレーションで強制的にVTRを終わらせるんです。“撮影終了!”。こんな役割を、ナレーションが持つようにもなりました。視聴者の視覚にさらに訴えるように、テロップと呼ばれる文字も多く使い始めました。文字の色や大きさを変えたり、炎をつけたり、震わせたり、タイミングを工夫したり、音と連動させたり……と、テロップも面白おかしくしたのです」

 電波少年が軌道に乗ったことにより、バラエティー番組には、ある革命が起きたそうだ。

「それまでの80年代のバラエティー業界は、絶大な人気を誇るスターたち、例えばたけしさん、さんまさん、とんねるずさん、こんな人たちによってリードされていました。ところが電波少年は、ほぼ無名のお笑い芸人でヒット番組を作りました。デビューしたばかりのお笑い芸人でも、企画次第では視聴率が取れる! これはちょっとした革命でした。今、人気絶頂の有吉弘行さんも『猿岩石のヒッチハイク』でユーラシア大陸を横断しましたから。それまでならば、せっかく考えた面白い企画でも、事務所やタレント本人に拒絶されたら、諦めるしかありませんでした」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」