二田一比古
著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

“くだらなさ”が関心呼ぶ?「翔んで埼玉」ヒットの理由とは

公開日: 更新日:

 木村主演映画のようにメディアジャックする大手映画会社の宣伝でなくとも、口コミが勝手に宣伝してくれた結果である。似たようなケースがヒット中の「翔んで埼玉」。公開前はテレビなど型通りに宣伝活動していたが、従来と違っていたのは、「埼玉をディスった」ことから、まずは埼玉県知事への、主演の二階堂ふみや監督の謝罪で始まった。宣伝に一役を買ったGACKTはインタビューで「くだらないよ」と言い放つ。自ら出演する映画を、まるで見ないほうがいいと言わんばかりだが、「どんだけくだらないの」と逆に関心を呼ぶ。映画の挿入歌に使われている「なぜか埼玉」は80年代にブームを起こした異色の歌謡曲。当時、聴いた人からは「くだらない歌」と返ってくるだけだった。歌手も“さいたまんぞう”と名前からして「ふざけている」と非難もあったが、それでも歌詞と歌手が気になるのが人間の心理。さっそく試聴――。

「なぜかしらねど ここは埼玉 どこもかしこもみんな埼玉」と意味不明な歌詞のサビだが、意味もなく笑えた。「くだらないよ」と口コミでさらに伝わりヒットにつながった。

「カメ止め」は専門学校の製作。「――埼玉」は邦画界を独占している東宝に後れを取っている東映。相撲も横綱を下位力士が倒すと沸くように、映画の世界でも小が大を制すると、より盛り上がる。邦画界が面白くなってきている。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

  2. 2
    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

  3. 3
    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

  4. 4
    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

  5. 5
    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

  1. 6
    新婚ホヤホヤ真美子夫人を直撃、米国生活の根幹揺るがす「水原夫人」の離脱

    新婚ホヤホヤ真美子夫人を直撃、米国生活の根幹揺るがす「水原夫人」の離脱

  2. 7
    違法賭博に関与なら出場停止どころか「永久追放処分」まである

    違法賭博に関与なら出場停止どころか「永久追放処分」まである

  3. 8
    大谷翔平のパブリックイメージを壊した水原一平通訳の罪…小栗旬ら芸能人との交流にも冷たい視線

    大谷翔平のパブリックイメージを壊した水原一平通訳の罪…小栗旬ら芸能人との交流にも冷たい視線

  4. 9
    小室圭さんが窮地の大谷翔平の“救世主”に? 新通訳&弁護士就任にファンが期待

    小室圭さんが窮地の大谷翔平の“救世主”に? 新通訳&弁護士就任にファンが期待

  5. 10
    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終