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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

“くだらなさ”が関心呼ぶ?「翔んで埼玉」ヒットの理由とは

公開日: 更新日:

 昨年来、日本映画の好調が続いている。平日の映画館でも半分以上の席が埋まる映画ブームだった昭和と見間違えるほどの盛況ぶり。年明けに公開された木村拓哉主演の「マスカレード・ホテル」はロングランと依然と好調。野村萬斎主演の「七つの会議」もTBSの「下町ロケット」のスタッフによる映像効果もあり観客動員は増えている。両作品とも原作の面白さと演技派の共演によるところもヒットの要因である。

「製作費と出演者を揃えた作品なら当然の結果」という声もあるが、意外な映画もヒットしている。昨年から映画界を震撼させた「カメラを止めるな!」は製作費が300万円程度。監督も出演者も無名な人たち。さしたる宣伝もなく、自主映画のように街の片隅の単館でひっそり上映して終わるだろうと思っていた。誰もヒットの予感さえしなかったが、あれよ、あれよという間にヒット。すべては口コミによるものだった。映画は宣伝よりも見た人に内容や感想を聞くことで観賞意欲がより湧くもの。「カメ止め」は見た人の誰もが「内容は言えないけど、面白いよ」と言うだけ。前例のない口コミに関心度は増した。「結末は言わないでください」の宣伝コピーよりも口コミは説得力を増す。実際、見ると「なるほど。これは内容を言ってはいけない」と納得。伝言ゲームのように次の人へ「内容は言えない」と伝わっていった。

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