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小田桐誠立教大学・武蔵大学非常勤講師

1953年青森県生まれ。出版社勤務を経て79年から著述業に専念。著書に「ドキュメント生協」「消えたお妃候補たち」「PTA改造講座」「テレビのからくり」「NHKはなぜ金持ちなのか?」など。07年9月から15年3月までBPO「放送と青少年に関する委員会」委員を務める。

TBS松原耕二アナ「報道1930」で見せた卓越した質問力

公開日: 更新日:

診断結果は…【良】

 9~11日にかけて全国ネットの「3・11特番」が各局で放送された。福島だけではなく、宮城県から関東まで広がる除染土をどう処理するか、農林水産業をはじめとする産業復興の現状と未来など、テーマ・論点が多岐にわたるなか、自然・再生エネルギー問題にフォーカスしたのがBS―TBS「報道1930」だ。自民党若手の秋本真利、国連環境計画に関わる末吉竹二郎を迎えての議論ではMCを務める松原耕二の質問力が光った。松原はズバッとシンプルに質問を発していた。

 例えば、こんな具合だ。

「脱原発議員連盟に入っている議員は何人いるのか」「現在の(エネルギー全体に占める原発の割合を30年に22%とする)エネルギー計画をどう思うか」

 前者は秋本が「5人ですが、(私は)初めて選挙に出る時から脱原発を言い続けてきました」と返し、後者は「(31年以降の)次の計画では(30年に22~24%とする)自然・再生エネの割合を厚くします」と言う秋本発言を受けた。国際情報誌「フォーサイト」の編集長を務めた堤伸輔は番組が示した各国の割合について「(データは)16年の数字で、その後もどんどん変わっている。(16年に)27・7%だったドイツは36%くらいになっている」と解説した。これには末吉が「2年前にヨーロッパが達成した(自然・再生エネの)実績よりも低い目標を掲げているが、これは目標といえるのか」と疑問を呈したのだが、松原がテンポよく「秋本さん、どうですか」と問いかけ、議論がどんどん深まった。中西宏明経団連会長は11日の会見で「原発再稼働反対は感情論」と言い放ったが、再稼働賛成こそが感情論であることが浮き彫りになった。

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