てれびのスキマ 戸部田誠
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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

お前以外とは…互いに人生をかけた「カミナリ」のコンビ愛

公開日: 更新日:

 たくみが中学時代の昼休み、口に水を含んだ周りのみんなをひたすら笑わせ、その水を噴き出させるという遊びをやっていた。その時まで彼は、自分が一番面白いと思っていた。だが、まなぶの笑わせ方があまりに面白くて、「次、たくみ、やって」と言われるのが本当にツラかったという。

「それまでの人生で初めて『ハードル』というものを感じました」(徳間書店「週刊アサヒ芸能」2018年4月19日号)

 たくみは、そう笑って回想する。当時、一緒にお笑いをやろうと誘ったが、まなぶに断られた。それぞれ別の高校に進んでも、たくみはまなぶの面白さが忘れられず、彼を再び誘い、高2でコンビを結成した。

 カミナリは他のドッキリ企画でもコンビ愛を感じさせている。たとえば、たくみが漫才の締めをいつまでも言わない「もうええわを言わない相方たち」(テレビ朝日「くりぃむナンチャラ」18年7月13日)。締めを言ってくれないから、3分間の予定の漫才を20分続けることになる。無理やり締めて舞台を降りると、まなぶは相方に怒りをぶつけるのではなく、「疲れてた最近? どうした?」と忙しさで精神的におかしくなってしまったのではないかと、心配したのだ。

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