著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

ハンタウイルスで露呈…アメリカの危機対応力が劇的低下

公開日: 更新日:

 大西洋を航行中のクルーズ船で起きたハンタウイルスの感染が、アメリカで不安を広げています。
中でも問題視されているのは、今回露呈した、感染症への政府の対応の遅さです。

 ハンタウイルスに感染すると、インフルエンザのような症状から呼吸器不全に進行し、死亡することもあります。クルーズ船ではこれまで3名が亡くなっています。

 ただし現時点ではCDC(米疾病対策センター)もWHOも「一般市民へのリスクは低い」としています。通常のハンタウイルスは空気感染ではなく、主にネズミの排泄物経由で、人から人への感染は極めて限定的だからです。

 しかし、 クルーズ船という「閉鎖空間」で起きたこと。 富裕で国際移動が多い船客の中に、症状が出る前に自国に戻った人もいたこと。 潜伏期間が長く最初は普通の風邪に見えることも、コロナ禍を思い起こさせ、不安につながっています。

 懸念を助長しているのが、アメリカ政府の対応の遅さと混乱です。最初の乗客が死亡したのは4月11日。しかしCDCが正式な対応チームを設置したのは、そのほぼ1か月後の5月6日でした。

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