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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

政治こそが余裕もカネもない「格差」を生んでいる

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 現代人は自民党と官僚に政治を委ねてきたが、暮らしの文化まで殺されるとは予想しなかった。市町村の平成の合併もひどいもので町独自の文化が一斉に消えた。町の書店も減った。肉屋のコロッケも減った。シャッター通り、郊外にシネコン(映画コンビニ)と巨大モールが出来ただけだ。今、テレビ文化も死にかけている。仕事に追われて本を読む暇もない、旅に出かける余裕もない、いつも一人で一家だんらんもない、遊ぶ趣味もない。そんな人のためにテレビがあるのなら、作り手はもう少し知的で心の栄養になる、仕事も時も忘れられる番組を考えてくれてはどうなんだろ。

 昔、フジテレビの深夜番組で「ニューヨーカー」という、1日だけニューヨークの街で何かワンテーマを掲げて何かするのんきな企画だった。我らも1回出演したのが縁で作る方にも回って、いろんなタレントや芸術家や俳優を連れて行っては、芸能とは何か、人が生きる所はどこかといろんな体験をさせてみせて、深夜の人気をさらった。テレビが気分良く見られて、心も豊かになれた80年代。テレビマンさんよ、一度、語ろうじゃないか。

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