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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

テレ東「サ道」主演は原田泰造だが…真の主役はサウナ!

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 茶道ではない。サ道のサは「サウナ」のサだ。何事も極めれば「道」になるもので、単なるサウナ好きを超えたサウナの達人、「プロサウナー」なる人たちが存在するらしい。「サ道」は、彼らが偏愛する実在のサウナと、その楽しみ方を教えてくれるドラマだ。

 毎回、サウナ「北欧」をベース基地にしているナカタ(原田泰造)、偶然さん(三宅弘城)、イケメンくん(磯村勇斗)の3人によるサウナ談議と、ナカタが一人で訪れる各地の極上サウナの様子が入れ子細工のようになって展開される。

 登場するサウナが、いずれも魅力的だ。杉並の住宅地にある「吉の湯」は、遠赤外線利用のサウナと屋外での「外気浴」がうれしい。錦糸町の「ニューウイング」には、何とミニプールの水風呂があって泳ぐことができる。そして埼玉の「草加健康センター」では、北海道から出張してきた伝説の「熱波師」による、至福のロウリュ(サウナストーンに水をかけて水蒸気をつくり、それをタオルなどであおいで客に熱風を送る)を体験する。

 サウナ・水風呂・休憩というセットを数回繰り返すうち、一種のトランス状態のような快感がやってくる。ナカタはそれを「ととのった!」と表現しているが、見ていると、すぐにもサウナに駆けつけ、ととのってみたいと思う。このドラマ、主演は原田泰造だが、真の主役はサウナなのだ。

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