視聴率低迷のNHK大河「いだてん」には致命的な見落としが

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 東京2020の前年で世間はオリンピック一色、朝ドラ「あまちゃん」で好評だった宮藤官九郎に賑やかな脚本を書かせ、当代一の人気歌舞伎役者を主役に、伝説のスポーツ選手を次々と登場させる。日本スポーツ協会はじめ競技関係者は全面協力、安倍内閣もバックアップ、あの小うるさい朝日新聞も自分のところの元記者が主人公ではケチを付けにくい――。どうだ、これでヒットしないわけがないだろう。NHK幹部はそう考えて、大河ドラマいだてん~東京オリムピック噺~」(総合日曜午後8時)を企画したに違いない。

 ところが、ある致命的な見落としがあった。いまや、スポーツはテレビ、パソコン・スマホでライブ観戦したら、それで終わり。昔の選手の活躍や舞台裏をドラマ仕立てで感動するなんてことは、よほどのスポーツマニアでなければ、楽しみ方ではなくなっていたのだ。主人公の金栗四三も田畑政治も、大方には無名であった。これで1年間見続けてくれというのは、さすがに無理がある。

 かくて、裏番組の「ポツンと一軒家」(テレビ朝日系)に流れた中高年視聴者は戻ってこず、5・9%と思いもよらない超低視聴率まで陥落した。

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