視聴率低迷のNHK大河「いだてん」には致命的な見落としが

公開日: 更新日:

 東京2020の前年で世間はオリンピック一色、朝ドラ「あまちゃん」で好評だった宮藤官九郎に賑やかな脚本を書かせ、当代一の人気歌舞伎役者を主役に、伝説のスポーツ選手を次々と登場させる。日本スポーツ協会はじめ競技関係者は全面協力、安倍内閣もバックアップ、あの小うるさい朝日新聞も自分のところの元記者が主人公ではケチを付けにくい――。どうだ、これでヒットしないわけがないだろう。NHK幹部はそう考えて、大河ドラマいだてん~東京オリムピック噺~」(総合日曜午後8時)を企画したに違いない。

 ところが、ある致命的な見落としがあった。いまや、スポーツはテレビ、パソコン・スマホでライブ観戦したら、それで終わり。昔の選手の活躍や舞台裏をドラマ仕立てで感動するなんてことは、よほどのスポーツマニアでなければ、楽しみ方ではなくなっていたのだ。主人公の金栗四三も田畑政治も、大方には無名であった。これで1年間見続けてくれというのは、さすがに無理がある。

 かくて、裏番組の「ポツンと一軒家」(テレビ朝日系)に流れた中高年視聴者は戻ってこず、5・9%と思いもよらない超低視聴率まで陥落した。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲