国内最高齢の女性映画監督が語る 日本がよくならない理由

公開日: 更新日:

 日本初の女性医師・荻野吟子の映画が公開中だ。医学校が“女人禁制”だった明治時代、決してあきらめることなく、34歳で医師となった波瀾万丈の生涯を、日本最高齢の女性映画監督・山田火砂子が描いた。

  ◇  ◇  ◇

「吟子さんが日本の女性医師第1号となってから100年以上が経っています。しかし昨年は医学部入試の女性差別問題が起こりました。日本は明治時代に戻ったんじゃないかと本当に呆れましたね」

 87歳になる山田火砂子監督はため息をつく。主人公の吟子は、16歳で親の意思によって結婚させられ、夫に性病(淋病)をうつされて入院する。女医の必要性を感じた吟子は、自ら医師になろうと、女子高等師範学校を経て医学校を目指すが、願書を提出することさえ却下され続ける。その後、何とか医学校に入学したが、“結婚して子どもを産むのがオナゴの一番の幸せ”とされた時代。やむなく男装して登校するが、男子学生からの容赦のないイジメや差別が降りかかった。

「2016年にOECDがまとめたデータによると、日本に女性医師は約6万7000人いますが、医師全体で女性が占める割合は加盟32カ国中最低の21・1%です。ちなみに1位はエストニアの73・9%。欧米各国では、イギリス47・2%、ドイツ44・5%、カナダ40・6%、イタリア39・8%、アメリカでさえ34・1%で、日本と10ポイント以上の差があります。日本がいかに遅れているかが分かるでしょう」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

  2. 2
    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

  3. 3
    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

  4. 4
    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

  5. 5
    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

  1. 6
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7
    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

  3. 8
    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

  4. 9
    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

  5. 10
    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”