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一雫ライオン作家

1973年、東京都出身。明治大学政治経済学部2部中退。俳優としての活動を経て、演劇ユニット「東京深夜舞台」を結成後、脚本家に。数多くの作品の脚本を担当後、2017年に「ダー・天使」で小説家デビュー。21年に刊行した「二人の嘘」が話題となりベストセラーに。著書に「スノーマン」「流氷の果て」などがある。

物書きは人と出会ってなんぼ 出会いも文字にして原稿料を

公開日: 更新日:

 勇気をもってメールを入れた。

〈もしよければ、コロナに十分気をつけながら、いちど食事でもしないかい? 肉が好きだったら肉でもいいし、寿司がよければおいしいところもあるし。取り急ぎ、わたしの電話番号を記しておきます。090――〉

 2分後、返事がきた。

〈あ、そういうのは大丈夫です! ありがとうございました!〉

――そう。あっさりしてるのね。でもおじさん、うれしかった。

 物書きなんて、人と出会ってなんぼだ。いや、どのような仕事もそうなのかも知れない。古い考えかもしれないが、そう思う。すこし物書きが他の仕事と違うとすれば――こんな出会いも文字にして、原稿料を頂戴することができることだ。

 ありがとう、青年。これで来週分のいいちこを、いつもより1本多く買わせていただく。 (おわり)

【連載】それでも物書きになりたい君へ

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