著者のコラム一覧
ダンカンお笑いタレント・俳優・放送作家・脚本家

本名・飯塚実。1959年、埼玉県毛呂山町生まれ。落語家を目指し立川談志に弟子入り。「立川談かん」として活動した後、たけし軍団入り。お笑いタレント、俳優、放送作家、脚本家と多才で、現在はTAPの専務取締役。

立川談志師匠の「お別れ会」で殿がポツリともらした一言

公開日: 更新日:

 現在、61歳になる俺だが、時間は巻き戻せないものである! を痛感している……。なんであの若かりし頃に師匠である偉大なる立川談志ともっと真剣に向き合えなかったのであろうかと……。

 今のこの気持ちで20代前半に弟子入りしたばかりの俺に戻れたならば……と何度となく考えるが、その答えはいつも決まって、「でも、俺が入門した頃って師匠はまだ40代半ばで落語協会脱会だ! どーしたこーしたって血気盛んだったし……てか、ものスゲー怖かったし……あー、やっぱりあの頃に戻っても、俺は俺でフラフラとした師匠との関係のままなのだろうなあ……」となってしまうのですが……。

 とにかく死ぬほど怒られた!! 何度「クビだー!!」と言われたことか? ただ両手では数えられないくらいクビを宣告されたにもかかわらず、ついぞ真実のクビは一度としてなかったのだった。

 いや、そもそも理解不能なクビさえ存在したのだ。例えば、俺が師匠のところからたけしさんの下で「たけし軍団」として活動しているある日、突然「あ、深夜にスミマセン、師匠がダンカン、クビだから伝えとけって言われまして!」と師匠に付いている若い弟子から電話が入る。「えっ、なんで俺、何かした?」「いや、ワタシもよくわからないんですが、思い出したとか? 思いついたとか? で」「ちょ、ちょっと待ってよ! 思いついてクビって……あ、師匠、明日どこにいる?」という会話を交わし……翌日、菓子折りを抱え、師匠がインタビューを受けている料理屋に謝罪(?)に行くと「おっ? おまえ、今日は何だ?」「(何だって、クビにされたから来たんでしょう!!)いや……あの、その……」「元気にやってるか、たけしに迷惑かけんなよ、おっ、おまえ、一杯やってけ飲んでけ! 飲んでけ!!」。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です