著者のコラム一覧
ラサール石井参議院議員

1955年生まれ。大阪市出身。渡辺正行、小宮孝泰と結成したお笑いトリオ「コント赤信号」で人気に。声優、俳優、司会者、脚本家、演出家、コラムニストとして活躍。第23回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。2025年、参院選に社民党から立候補し当選。副党首に就任。

ゴミ出しができない高齢者 20世帯に1世帯はゴミ屋敷に…

公開日: 更新日:

 ある女性の80歳の父は昨年妻を亡くして一人暮らしになった。3カ月ぶりに帰ると奥の和室にゴミ袋の山。家事を任せっきりだった父は、ゴミ出し経験がなく、分別がうまくできなかった。「出し方が違う!」と近所の人からゴミ袋を戻され、それからゴミ出しが怖くなり、できなくなってしまった。

 雑誌「女性自身」の試算によれば、世帯主が75歳以上で、高齢者自らゴミ出しを行わなければならない世帯の数は、2025年には約858万世帯となる。75歳以上で、要介護認定を受けた人の合計割合は31・9%。つまり、25年には858万世帯の31・9%である約274万世帯でゴミ出し困難になると予想される。この数字を全世帯において換算すると、全国で20世帯に1世帯はゴミ屋敷になってしまうのだ。

 自治体でゴミ出し支援を行っているところもあるが数は少ない。金儲けに聡い人なら、これをビジネスにしようとするだろう。しかし医療費も上がろうという高齢者に新たな負担の余裕はない。これは現在のゴミ出しのシステムを根本から国が考え直さなければいけないのではないか。

 現在でさえゴミ収集員は走りながら必死で町を回っている。高齢者の家までゴミを取りに行く余裕は全くない。それなら、民間の業者に国が金を出し、あらかじめ高齢者の家からゴミを出すシステムを考えてはどうか。お得意の中抜きもしやすかろう。いや、してもらっては困るが。そうしないと日本中がゴミで埋まる。

 コロナは見えないが、ゴミはそうはいかない。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?