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平野悠「ロフト」創業者

1944年8月10日、東京都生まれ。71年の「烏山ロフト」を皮切りに西荻、荻窪、下北沢、新宿にロフトをオープン。95年に世界初のトークライブ「ロフトプラスワン」を創設した。6月、ピースボート世界一周航海で経験した「身も心も焦がすような恋」(平野氏)を描いた「セルロイドの海」(世界書院)を刊行。作家デビューを果たした。

原点は烏山ロフト「坂本龍一は天才。大物になる」と吹聴

公開日: 更新日:

 近隣の桐朋学園大音楽学部、白百合女子大に通う女子大生は言うまでもなく、とにかく女性客にモテた。羨ましいを通り越し、悔しいほどモテまくった。

 ある意味、彼の原点は「ロフトにある」と言ってもいいだろう。

 烏山ロフトに「交流ノート」という落書き帳を置いた。常連客だった平凡パンチの新進気鋭ライター生江有二さん、「最後の全共闘」と呼ばれた明大の二木啓孝さん(日刊ゲンダイOB)、地元の書店「烏山書房」2代目の小林秀夫さんといった面々と一緒に小難しい論文やルポ、音楽関連の雑文を書き連ね、論争を巻き起こしていた。

 そう言えば音楽青年だった二木さんの依頼を受け、ジャズの山下洋輔トリオ、山下達郎さんが結成したシュガー・ベイブなどが出演した明大自治会主催のコンサートを企画したこともあった。

 坂本は店に集う女子大生やミュージシャンを目指す若者にとって、まさに<教授>のような立ち位置だった。

「ヤツは天才だ。必ず大物になる」

 周囲にそう吹聴した。

【連載】ロフト創業者が見たライブハウス50年

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