NHK大河「青天を衝け」はヒット狙いの仕掛けがてんこ盛り

公開日: 更新日:

 やっぱり大河ドラマは戦国か幕末だね――おそらくNHKの中でもそんな会話が交わされていることだろう。「麒麟がくる」もまずまずだったが、「青天を衝け」は久しぶりの初回世帯視聴率20%、第2話も約17%と絶好調のスタートを切った。

 主人公の渋沢栄一は、名前くらいは知っているけど、何をやった人なのかはよく知らないという程度の知名度だが、NHKは今年一番の話題ドラマになるはずと皮算用している。ビジネス誌の編集デスクは「実に見事に仕掛けられている」と苦笑する。

「渋沢が創業したり、経営に関与した企業は約500社もあって、現在のトップ企業のほとんどが何らかの関わりがあります。『来週の大河にうちの会社が登場する』と言われたら、社員はみんな見るでしょう。番組最後の『青天を衝け紀行』で、東京電力が渋沢栄一像を清掃している様子が流れましたが、東電グループは関連業界も入れれば、何十万人もの従業員、取引先がいます」

 渋沢は東電のほかにも、東京ガス、みずほ銀行、JR、ビールのキリン・サッポロ・アサヒ、東京海上日動火災、日本郵船、富士通などを創業、一橋大学や東京女学館などの学校をつくり、日本経済新聞、東洋経済新報の創刊を支援し、日本赤十字社、がん研究会、理化学研究所の設立にも尽力した。銅像は各地に25体もあるそうで、これほど“関係者”“関係団体”の多い大河ドラマの主人公もまずいない。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手