広瀬すずがCA役 JAL誕生物語「エアガール」は骨太なドラマ

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■松木静男と白洲次郎のバトルがどう描かれるのか

 誕生の裏側の中でも注目は、「日本の空を日本人の手に取り戻したい!」という情熱を抱いていた電気通信省航空保安庁の初代長官・松尾静磨(ドラマでは吉岡秀隆・50=松木静男)と、吉田茂首相の側近・白洲次郎(ドラマでも実名で登場=藤木直人・48)の確執だ。第2次世界大戦で敗戦国となった日本は当時、連合国軍総司令部(GHQ)が発した航空禁止令により、飛行機の開発や製造を含めすべての航空事業が禁止されていた。

 1903年(明治36年)に現在の佐賀県武雄市の旧家に生まれ、九州帝国大学工学部機械工学科を卒業した松尾は、民間企業で航空エンジンの設計を経験した後、逓信省航空局に入り、朝鮮総督府航空官を務めるなど、戦前の航空行政に深く関わってきた。

 それだけに「日本の空を日本人の手に」と言う思いは人一倍強く、公職追放が解けて日本商工会議所会頭に就任した藤山愛一郎(後に岸内閣の外務大臣)らと協力して、GHQと粘り強く交渉を重ねた。

 一方の白洲は1902年(明治35年)に現在の兵庫県芦屋市の大富豪の家に生まれ、英国ケンブリッジ大学に留学し、戦後は吉田首相の右腕として活躍。GHQにもズケズケと意見し、「最高司令官マッカーサーを叱った唯一の日本人」と言われた。その白洲は「アメリカ相手に航空事業など始めても勝算はありません」と公言してはばからず、松尾たちの前に立ちはだかった。

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