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船山基紀編曲家

1951年、東京都生まれ。編曲家。デビュー作は中島みゆき「アザミ嬢のララバイ」。昨年死去した作曲家・筒美京平と組んだ作品が一番多く、沢田研二、渡辺真知子、田原俊彦ら数々のヒットを飛ばした。昨年12月に編曲を手がけた作品を収録した「船山基紀 サウンド・ストーリー」(ソニー・ミュージックダイレクト、CD4枚組72曲)をリリース。

コンピューター全盛でも感動させる音楽を作るのは“人間力”

公開日: 更新日:

 僕は今の音楽を否定する気持ちは全くありません。言ってしまえばプロもアマチュアも使っているコンピューターにさほど違いはないんです。少しでもうまく使いこなせた人がプロになれる、みたいなことなんです。

 さらに言うと、デスクトップミュージックはすべてコンピューターでできますが、コンピューターの性能以上のことはできません。つまりコンピューターを駆使したとしてもアプリケーションでできる範囲でしかない。でも、そこに人間が加われば、もっと自由な発想ができて音楽の発展性が生まれます。作家が思い描いた通りになるか、あるいは思い描いた以上のものになるか、そこは「人間力」です。わー! っと人を感動させる音楽を創れるかどうかは「人間力」にかかってくると思っています。

 僕らはずっと人間同士が対面で音楽を作ってきました。譜面に書いてあっても、あえて口頭で「これはこんな感じでやってください」と伝えることで、劇的に音楽が変わったりするんです。僕の指示を受けて演奏してくれるスタジオミュージシャンの力で、音楽が発展することもある。そこがスパイスの効いたいい音楽になるかどうかの境目なんです。ですから、これは絶対に続けていかなくてはいけないと思うし、僕らがお手本を見せなきゃいけないと思っています。

 クリスタルキングの「大都会」のような思いもよらない展開は、コンピューターの中だけではできないんですよ。 =つづく

【連載】船山基紀 ヒット曲の裏側 編曲家の仕事術

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