著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

有吉やヒロミは不遇から復活 “2度化け”は時代の流れと運

公開日: 更新日:

 序二段まで陥落しながら、不屈の闘志で再び大関に返り咲いた照ノ富士に注目が集まる大相撲夏場所。芸能界でも低迷期を乗り越え復活した代表的なタレントがいる。

 有吉弘行。高校時代からお笑い芸人を目指し「猿岩石」を結成。日テレの「進め!電波少年」で世界ヒッチハイクの旅でブレークするも一過性で終わり、低迷が続いた。地元・広島ローカル番組で不遇の時代が7年近く続いた。コンビ解散後、ピン芸人として再出発。「毒舌タレント」として開花した。

「特に芸が面白いわけではなく、ズバッと言い切る話が的を射ている。毒舌といってもバラエティーのタレント相手。予定調和の部分もあるし、今も変わらぬ童顔も毒舌を和らげる効果がある」(テレビ局関係者)

 有吉時代が到来した。現在レギュラーは13本。年収は優に5億円を超えるといわれている。

 芸人も売れるとモテる。そこに油断が生まれる。複数不倫アンジャッシュ渡部建はすべてを失った。

 しかし有吉は堅実だった。スキャンダルは皆無。5年前にフリーアナ・夏目三久との熱愛が報じられた際も完全否定。熱愛は幻に終わっていたが、メディアの間では「交際している」という話は根強く残っていた。

 それでも確かな交際の事実は掴めずにいたなか、4月1日に結婚した。

「芸人はスキが多く熱愛はバレやすいのに有吉は完璧に隠し通した。否定した以上、結婚が決まるまで隠す必要があったとはいえ見事なものです」と感心する声も多い。隠し通した経緯など言うこともなく、2人の出会いとなったテレ朝の「怒り新党」に最初で最後のツーショット出演で義理を果たした。夏目が9月で芸能界引退を発表したのも、有吉が夏目をこれからも守り通す決意の表れだろう。夏目との一途の愛を貫き通した背景にあったのが低迷期からの完全復活。私生活でも余裕が生まれ、すべてを好転させたと思う。

「理想の父親」として返り咲いたヒロミ

 一方、ヒロミも復活の代表的なタレントだ。元暴走族からお笑いの世界に飛び込みB21スペシャルを結成。ダウンタウンとんねるずらと並び「ちょっと生意気な芸人」ブームをつくった。グループ活動休止後、ソロ活動するも先輩タレントと衝突。芸能界から干されたとの噂もあったが、自ら芸能界を離脱。加圧式トレーニングジムを経営するなど実業家に転身した。

 やんちゃ時代を彷彿させるように天狗になった時期もあったが、再び芸能界に舞い戻った。政治から芸能までさまざまなジャンルをそつなくこなす毒舌とトーク力。とがっていた面も丸くなり、松本伊代の夫や父親の顔も前面に押し出した。「家庭に協力的な理想の父親」として主婦層の心を捉えた。

 歌手や俳優からタレントに転身してブレークした人は少なくないが、同じジャンルで2度のブレークも珍しく、「2度化け」と呼ぶそうだ。実際、「一発屋」と呼ばれた芸人でいまだ浮上せずにいる芸人はたくさんいる。芸能界は相撲のように努力は目に見えない。「時代の流れと運」ともいわれる世界。有吉・ヒロミに続く再浮上タレントは現れるか――。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手