著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

「キックの鬼」こと沢村忠を生んだ“名プロモーター”野口修

公開日: 更新日:

 2021年3月26日。キックボクシングの第一人者にして昭和の格闘技界のスーパースター、沢村忠が千葉県内の病院で亡くなった。享年78。

 代名詞ともなった必殺技「真空飛び膝蹴り」で敵をなぎ倒し、本人を主人公にしたコミック「キックの鬼」(原作・梶原一騎/漫画・中城けんたろう)は実際の活躍と同時進行で連載され、アニメにまでなった。実在の人物がアニメと同時進行で活躍した事例など、それまであっただろうか。

「YKKアワー・キックボクシング中継」(TBS系)は毎週20%超えの高視聴率をマークし、沢村忠は時代のアイコンとなった。正真正銘、社会現象にほかならず、“沢村狂騒曲”が奏でられていたのだ。

 いずれの狂騒曲と同じく、沢村にも指揮者がいたことを忘れてはならない。それが、昭和のプロモーター、野口修である。

■格闘技プロモーターのパイオニア

「ライオン」の異名を取った黎明期の人気ボクサー・野口進の長男として1934年1月24日出生。大学卒業後、家業の野口拳闘クラブのマネジャーとして、三迫仁志の東洋タイトルマッチや、弟の野口恭の世界タイトルマッチを取り仕切った。しかし、世界戦のプロモートにおける資金調達が外為法違反に問われ逮捕。マッチメークを請け負っていたNET(現・テレビ朝日)の「ゴールデン・ボクシング」からパージ(疎外)され、資金繰りに困ったことが、客気な彼を旧態依然のボクシング界から引き離し、新たな道に進ませることになる。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    悠仁さま筑波大進学で起こる“ロイヤルフィーバー”…自宅から1時間半も皇族初「東大卒」断念の納得感

  2. 2

    中山美穂さん急死、自宅浴槽内に座り前のめり状態で…大好きだった“にぎやかな酒”、ヒートショックの可能性も

  3. 3

    辻仁成は「寝耳に水」 中山美穂離婚報道の“舞台裏”

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  1. 6

    中山美穂さん急逝「加齢の悩み」吐露する飾らなさで好感度アップ…“妹的存在”芸人もSNSに悲痛投稿

  2. 7

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  3. 8

    【独自】急死の中山美穂さん“育ての親”が今朝明かしたデビュー秘話…「両親に立派な家を建ててあげたい!」

  4. 9

    豊作だった秋ドラマ!「続編」を期待したい6作 「ザ・トラベルナース」はドクターXに続く看板になる

  5. 10

    紅白出演をソデにした旧ジャニーズ痛恨の“判断ミス”…NHKに出たい若手タレントが大量退所危機

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?