著者のコラム一覧
城下尊之芸能ジャーナリスト

1956年1月23日、福岡県北九州市生まれ。立教大学法学部卒。元サンケイスポーツ記者。82年、「モーニングジャンボ 奥様8時半です」(TBS)の芸能デスクとなり、芸能リポーターに転身。現在は「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ)、「朝生ワイド す・またん」(読売テレビ)、「バイキング」(フジテレビ)に出演中。

天竺鼠・瀬下豊も不倫で活動自粛…差し障りのない“品行方正”芸人ばかりって楽しい?

公開日: 更新日:

 お笑いコンビ「天竺鼠」の瀬下豊が複数の女性との不倫を報じられ、当面の間、活動自粛すると発表した。

 天竺鼠の2人は、相方の川原克己も共に42歳。長く活動してきて、近年ようやく売れっ子として広く名前が知られるようになって、これからもうワンステップ、ツーステップも大きくなるところでつまずいた格好だ。

 最近、木下ほうかが無期限活動休止に追い込まれたことが印象に残っているが、こちらは力関係を利用しての“性強要”だから言語道断だった。

 とはいえ、しかしまあ……。最近は女性問題や不倫をしたら、「芸能活動を中止するのが当然」みたいな流れになっている。渡部建はローカルのテレビ番組で復帰したものの、後が続かない状況だ。

 ひと昔前、いや、ふた昔前くらいまで、芸人を指して、「飲む、打つ、買うの三拍子揃った遊び人」といった表現がよく見られた。大酒を飲み、バクチを打ち、女性遊びをするということで、こうした芸人は結構いた。ビートたけしがたけし軍団と番組をやっていた頃、川崎のソープランドを貸し切りにして遊んだなんて話もあった。当然、その程度では記事にもならなかった。

「収録中は非常識なことを強制的にやらせるのに」

 今や昔の話で、現状はテレビをベースに活動すると特に、視聴者の苦情やスポンサーの意向が考慮され、不祥事ひとつですぐに休ませようとする。悪いイメージとなったタレントを起用するリスクを避けたいと、テレビマンは萎縮する。飲む、打つ、買うの破滅型の芸人が、笑いと共に“何となく許される”なんてことはなくなった。

 昔、ある芸人に「テレビはひどい。収録中は常識では考えられないようなことを強制的にやらせるのに、収録を終えて帰る時には品行方正でいろと言うんだ」と嘆かれて笑ってしまった。その芸人は「まともな神経じゃあ、やってられない」とボヤキ続けていた。

 今はBPO(放送倫理・番組向上機構)が、「出演者に痛い思いをさせて笑いを取るのは、いじめにつながる」とまで言い出している。名物番組の「ガキの使いやあらへんで!」はどうしたらいいのか、放送局サイドも苦慮しているだろう。家庭的で発言内容も差し障りがない芸人ばかりというのでは、この先がちょっぴり不安になってくる。もちろんダメなものはダメなのだが……。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった