著者のコラム一覧
城下尊之芸能ジャーナリスト

1956年1月23日、福岡県北九州市生まれ。立教大学法学部卒。元サンケイスポーツ記者。82年、「モーニングジャンボ 奥様8時半です」(TBS)の芸能デスクとなり、芸能リポーターに転身。現在は「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ)、「朝生ワイド す・またん」(読売テレビ)、「バイキング」(フジテレビ)に出演中。

伊藤英明が事務所を移籍してまで貫いた「津川雅彦さんへの敬意」

公開日: 更新日:

 この春、俳優の伊藤英明(46)が20年以上所属していた芸能プロを退社し、新たに「グランパパプロダクション」に移籍したことを公表した。

 この3、4年、俳優の独立や移籍が続いている流れのひとつとみる向きもあるようだが、伊藤の場合は、ある大物俳優に対する敬意と思いがあっての移籍のようだ。

 伊藤が移籍したグランパパは、俳優の故・津川雅彦さんが設立した事務所で、現在は岩下志麻、松原智恵子といったビッグネームから、あらゆるドラマの場面で登場する笹野高史、秋野太作、高橋由美子といったベテラン勢も所属している。伊藤は2015年に津川さんとドラマで共演し、親交を深めてきた。

 伊藤は津川さんについて「己の老いと闘いながら居心地悪そうに切磋琢磨する姿、本当の意味での『努力』などを目の当たりにし、ある種嫉妬の気持ちすら感じておりました」という。そんな津川さんが残した空気があるグランパパで活動したい思いが勝った。

 長らく主役・準主役として活躍してきた伊藤だが、自分でも「少しおっさんになった俳優」と表現する中、晩年の津川さんが悪役や難しい役どころ、そしてほんのちょっと顔を出すだけのチョイ役もいとわず、それでいて強烈な印象を残す姿に次の自分の姿を見いだしているのではなかろうか。

津川さんの経営するおもちゃ屋さんで…

 津川さんは取材で顔を合わせると、常ににこやかに丁寧に説明してくれて、イヤな顔をしない人だった。僕が取材した頃は、すでにベテランの俳優で、いろいろな経験をお持ちだったからだろうが、度量の大きさを感じさせた。僕に近い人物がその昔、津川さんの経営する「グランパパ」というおもちゃ屋さんに買い物に行ったら、店主として津川さんがいらっしゃったそうだ。

 そこへ、故・夏目雅子さんが遊びに来たので、「夏目さんにサインをお願いしたい」と津川さんに頼んだら、「雅子ちゃん、サインしてやってよ」と声をかけてくれたそうだ。もちろん、夏目さんも気軽に応じてくれたのだが、その時、津川さんが「オレもサインしてあげようか……」と聞いてきたという。「いや~、津川さんのはいらない」と断ったのだが、続けざまに「ここに来たら会えるでしょ」と返事すると大笑いしていたそうだ。

 この一件でもわかる通り気さくな人だった。そんな魅力のある人だからこそ、伊藤は今後の目標とする俳優に津川さんを選び、事務所まで移ったということだろう。

 このところ話題のWOWOWのドラマ「TOKYO VICE」(マイケル・マン監督ほか)にも出演している伊藤が、どんな変化を見せるのか楽しみでならない。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    萩本欽一(11)ひとりぼっち寂しく貧乏飯を食べながら「先生も同級生もバカだな」と思うことにした

  2. 2

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  3. 3

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  4. 4

    休養中の菊池風磨「timelesz」5月ライブは不在…チケット"取れすぎ"が危ぶまれるグループ人気と「激痩せ」と「占い」

  5. 5

    高畑裕太の“緊急声明”で蒸し返された千眼美子(清水富美加)との「異常な距離感」と“米粒騒動”

  1. 6

    ひろゆき氏も"参戦" 「タモリつまらない」論争に擁護派が続出する“老害化とは無縁”の精神

  2. 7

    サバンナ高橋“10年いじめ”問題からにじむ上下関係の悪しき伝統と「吉本の闇」…鬼越トマホーク良ちゃんも参戦

  3. 8

    仲間由紀恵46歳の“激変ふっくら姿”にネット騒然も…紆余曲折を経てたどり着いた現在地

  4. 9

    あのちゃん追い風だった女優業に暗雲の炎上!「嫌いな芸能人」発言で反撃される痛恨

  5. 10

    萩本欽一(10)自宅に税務署、友達もいない 萩本少年を救ったのがチャップリンだった

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    萩本欽一(11)ひとりぼっち寂しく貧乏飯を食べながら「先生も同級生もバカだな」と思うことにした

  2. 2

    医学部に進学した息子のために老後破産したエリートサラリーマンの懺悔

  3. 3

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  4. 4

    仲間由紀恵46歳の“激変ふっくら姿”にネット騒然も…紆余曲折を経てたどり着いた現在地

  5. 5

    国会答弁イヤイヤが見え見え…高市首相が党首討論で「サナエらしさ」全開“屁理屈”反論のア然

  1. 6

    混戦制した河本結の"自己中プレー"に中継解説者が苦言…人気女子プロに問われるモラルとマナー

  2. 7

    出口夏希の“男選び”がもたらす影響…伊藤健太郎との熱愛報道と旧ジャニファンが落ち込む意外

  3. 8

    田中将大が楽天を去った本当の理由…退団から巨人移籍までに俺とした“3度の電話”の中身

  4. 9

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  5. 10

    餃子の王将&ココイチで客離れ進む衝撃…外食「1000円の壁」で分かれる明暗