著者のコラム一覧
城下尊之芸能ジャーナリスト

1956年1月23日、福岡県北九州市生まれ。立教大学法学部卒。元サンケイスポーツ記者。82年、「モーニングジャンボ 奥様8時半です」(TBS)の芸能デスクとなり、芸能リポーターに転身。現在は「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ)、「朝生ワイド す・またん」(読売テレビ)、「バイキング」(フジテレビ)に出演中。

渡辺裕之さんと上島竜兵さんの思い出…一生懸命で優しい人だった

公開日: 更新日:

 先週、渡辺裕之さん(享年66)が亡くなったと思ったら、今週はダチョウ倶楽部の上島竜兵さん(享年61)が続いてしまった。

 どちらも自死とみられるが、おふたりとも僕にとっては取材でいろいろな思い出があって、非常にショックな出来事となってしまった。

 まずは渡辺裕之さん、女優の原日出子さんと1993年に結婚した。ふたりはハワイで挙式したのだが、その当時は芸能マスコミの取材も派手で、テレビ各局やスポーツ紙などは揃ってハワイに出向いて取材した。海を見渡せる絶景のキャルバリー・バイ・ザ・シー教会での挙式はもちろんだが、せっかくハワイに来たのだからと、夜の夫婦のデートシーンも撮りたいとお願いしたところ、渡辺さんは快く「そうですか。では、どこで撮りましょう」と快諾してくれた。ただ、撮影中もカメラを回さない時も、実に照れくさそうにしていたのが印象的だった。生真面目で優しく、何事にも一生懸命な人だった。原さんがそれをうれしそうに支えているというのが、ずっと続いていた感じだ。それだけに密葬を終えた原さんのコメントがつらかった。

「人一倍家族思いで心配性な夫は、先行きの不安を口にするようになり、自律神経失調症と診断され……」

 知り合いの映画プロデューサーによると、「ギャラは低いのですが」と出演をお願いしても二つ返事でOKしてくれる、ありがたい俳優だったという。

「シロートじゃないんだから!」もお約束

 上島竜兵さんは取材で無理を聞いてもらってばかりだった。局内の部屋でダチョウ倶楽部にインタビューしたことがあり、その途中でディレクターが本当にグツグツ煮えたぎった「おでん」の鍋を出してきて、“お約束のギャグ”を頼んだ。ダチョウの面々は機転を利かせてくれ、「シロートじゃないんだから、本当に沸騰しているのを持ってきてどーする」「無理に決まっているだろう」と言いながら、リーダーの肥後克広が箸でコンニャクをつまんで上島さんの顔に持っていった。「ギャー」と大声を上げる上島さんのタイミングは抜群だった。やはり一生懸命で優しい人だった。

 以前、三浦春馬さん、芦名星さん、竹内結子さんの訃報も続いた。やはり自分に近い人、同じ世代の芸能人が自死すれば、悩みの解決に向けた選択肢の中に「自殺」というイメージが残るのではなかろうか。渡辺さんも上島さんも60代。体力、気力も減退してくる頃であり、本人も周囲も気を付けていかなければと改めて思った。

 ◇  ◇  ◇

■厚生労働省のホームページで紹介している主な悩み相談窓口

▽いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)

▽こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)

▽よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手