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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

金曜夜は缶ビール片手に…「NICE FLIGHT!」玉森裕太と中村アンの穏やかな恋を眺める愉しみ

公開日: 更新日:

 金曜夜の11時台に、重たいドラマはあまり見たくない。かといって、登場人物たちだけがはしゃいでいる作品もうっとうしい。

 その点、「NICE FLIGHT!」(テレビ朝日系)はピッタリだ。主な舞台は羽田空港。副操縦士の粋(玉森裕太)と航空管制官の真夢(中村アン)の“お仕事ラブストーリー”である。

 パイロットが主人公のドラマといえば、木村拓哉の「GOOD LUCK!!」(2003年、TBS系)を思い出す。あちらは「パイロット道」を究めるかのように、いつも眉間にしわを寄せていたっけ。

 また女性管制官では、深田恭子主演「TOKYOエアポート~東京空港管制保安部~」(12年、フジテレビ系)があった。深田もまた笑顔を封印して、「冷静沈着」の権化みたいな真剣さで仕事に取り組んでいたものだ。このドラマにも粋のフライトや訓練、真夢の業務シーンが出てくる。だが、あまり緊迫感はない。

 前述の木村や深田は、どこか肩に力の入った演技を見せていたが、こちらの2人は自然体で無理がない。しかも、恋愛もまた適温で進んでおり、粋の元カノ(筧美和子)への誤解から、真夢の気持ちが揺れた程度だ。

 おかげで、見る側は缶ビールなど片手に、心優しき青年と生真面目な年上女性の穏やかな恋を、ゆったりと眺めることができる。次回は最終回。予想通りの“着陸”を見せてくれたら拍手だ。

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